ニュース ・ 2026年10月12日
ビール系飲料の酒税が一本化。ビールは減税、発泡酒・新ジャンルは増税。で、値段は?
世の中の難しい話を、30秒で。
今日のニュース|何が起きた?
2026年10月から、ビール・発泡酒・新ジャンルの酒税が、350ml当たり54.25円に一本化されました。
楽単すると|つまり?
これまでは、350ml当たり、ビールと麦芽比率50%以上の発泡酒が63.35円、麦芽比率25%未満の発泡酒と新ジャンルが46.99円でした。このため、ビールと麦芽比率50%以上の発泡酒は9.10円の減税、麦芽比率25%未満の発泡酒と新ジャンルは7.26円の増税です。麦芽比率25%以上50%未満の発泡酒は、もとから54.25円で、変わりません。
私たちに関係ある?
チューハイなどは、350ml当たり28円から35円になりました。お店の値段は、酒税のほかにも左右されるので、酒税と同じだけ上下するとは限りません。
もう少し詳しく
350ml当たりの比較表、麦芽比率などの分類、チューハイ、値段との関係を見る(読みたい人だけ)
350ml当たりの酒税:これまでと、10月から
「これまで」は、令和5年10月から令和8年9月までの税率です。
ビールの酒税は、これまで1キロリットル当たり181,000円(350ml換算63.35円)でした。
発泡酒(麦芽比率50%以上)は、これまでビールと同じ1キロリットル当たり181,000円(350ml換算63.35円)で、10月から155,000円(350ml換算54.25円)です。
発泡酒(麦芽比率25%未満)と新ジャンルは、これまで1キロリットル当たり134,250円(350ml換算46.99円)でした。
発泡酒のうち、麦芽比率25%以上50%未満のものは、これまでも1キロリットル当たり155,000円でした。
10月からは、ビール・発泡酒・新ジャンルとも、1キロリットル当たり155,000円(350ml換算54.25円)です。
チューハイなど(その他の発泡性酒類)は、これまで1キロリットル当たり80,000円でしたが、10月から100,000円(350ml換算35円)になりました。
表は、350ml当たりに直した酒税です。
| 区分 | これまで | 10月から | 変化 |
|---|---|---|---|
| ビール | 63.35円 | 54.25円 | 9.10円の減税 |
| 発泡酒(麦芽比率50%以上) | 63.35円 | 54.25円 | 9.10円の減税 |
| 発泡酒(麦芽比率25%以上50%未満) | 54.25円 | 54.25円 | 変わらず |
| 発泡酒(麦芽比率25%未満) | 46.99円 | 54.25円 | 7.26円の増税 |
| 新ジャンル | 46.99円 | 54.25円 | 7.26円の増税 |
| チューハイなど(その他の発泡性酒類) | 28円 | 35円 | 7円の増税 |
なぜ、ビールは減税で、発泡酒・新ジャンルは増税?
財務省は、似た酒類の間の税率の差が、商品開発や販売数量に影響を与えている状況を改め、酒類間の税負担の公平性を回復するために、酒税を改正したと説明しています。
この改正は、税収中立の下で行われました。
税収中立とは、税収全体を、増やしも減らしもしない、という意味です。
ビール系飲料の税率が一本化されたため、これまで高かったビールと麦芽比率50%以上の発泡酒は下がり、低かった麦芽比率25%未満の発泡酒と新ジャンルは上がりました。
なぜ、一本化後の税率がその水準になったのか、という細かい理由は、確認した資料には書かれていません。
発泡酒の麦芽比率など、分類による税率の違い
ビールは、麦芽比率(ホップと水を除いた原料の重さに対する、麦芽の重さの割合)が50%以上となる範囲で、麦芽以外に、麦、米、とうもろこし、でん粉などを副原料として使うことが認められています。
酒税法の税率表では、発泡酒のうち麦芽比率が50%未満のものが、「25%以上50%未満」と「25%未満」に分けられています。
いわゆる「新ジャンル」は、糖類、ホップ、水及び一定の物品を原料として発酵させたもので、エキス分が2度以上のもの、などと決められています。
国税庁の税率表には、これらの3つにあたらない発泡酒について、1キロリットル当たり181,000円とも書かれています。
この税率表の「除く」とされた発泡酒と、麦芽比率が高い発泡酒が同じものかどうかは、資料に明記されているのを確認できていません。
令和5年10月1日から、発泡酒の定義に、ホップ又は一定の苦味料を原料とする酒類などが加えられました。
国税庁の手引きによると、ホップを原料の一部としたいわゆる「新ジャンル」は、令和5年10月に品目が発泡酒となり、税率も麦芽比率25%未満の発泡酒と同じになりました。
つまり、これまでは、麦芽比率などの分類によって、酒税の額が違っていました。
10月からは、ビール・発泡酒・新ジャンルとも同じ税率なので、分類による酒税の差はなくなりました。
ただし、ビール・発泡酒・新ジャンルという分類や呼び方そのものが変わるかどうかは、確認した資料には書かれていません。
チューハイなど(その他の発泡性酒類)の税率と、アルコール分の範囲
チューハイなどは、酒税法では「その他の発泡性酒類」にあたり、国税庁の資料(令和7年7月)では、ビールと発泡酒以外で、アルコール分10度未満で発泡性があるお酒、とされています。
国税庁の手引きにも、令和8年10月1日から、その他の発泡性酒類の税率を適用できるアルコール分の範囲が、10度未満から11度未満になる、と書かれています。
財務省の「令和8年10月1日現在」の税率表でも、その範囲は「アルコール分11度未満」と書かれています。
国税庁の手引きは、この変更を、ビール系飲料の税率を一本化した平成29年度の税制改正の一部として書いています。
改正のまえとあとを、表にまとめます。
あわせて、低アルコール分の蒸留酒類とリキュールの特例税率も、2026年10月に引き上げられました。
その特例税率の金額は、確認した資料には書かれていません。
また、この手引きによると、アルコール分が10度から11度未満で発泡性のあるお酒は、適用される税率が変わります。
どの税率からどの税率に変わるかは、お酒の品目によって違い、この記事では調べていません。
| 区分(税率は1キロリットル当たり) | これまで | 令和8年10月1日から |
|---|---|---|
| その他の発泡性酒類の対象(アルコール分) | 10度未満 | 11度未満 |
| その他の発泡性酒類(ホップ等を原料としない酒類)の税率 | 80,000円 | 100,000円 |
酒税の変化と、店で売られる値段は同じではない
酒税は、お酒をつくる製造者が国に納めます。
納めた酒税は、卸売業者、小売業者へと「転嫁」(値段に含めること)され、最後は消費者が負担する仕組みです。
お店で売られる値段は、酒税のほかに、製造原価や、製造者・卸売業者・小売業者のマージン(利益)、販売費などを含んで決まります。
ビールと発泡酒は「オープン価格」で、国税庁の資料は、小売価格の例として、大手コンビニエンスチェーンの代表的な価格を使っています。
令和6年12月現在の例では、ビール350ml缶の小売価格(税込)は224円で、そのうち酒税が63.35円、消費税が20.36円、酒税等の負担率は37.4%とされています。
これは令和6年12月現在の例で、今回の改正のあとの値段ではありません。
酒税が増えても減っても、店で売られる値段が同じだけ変わるとは限りません。
この記事では、改正後の実際の店頭価格や、メーカーの値段の変更は、調べていません。
なぜ、段階的に改正してきたの?
消費者の負担が急激に変動しないように、税率の見直しは3段階に分けて行われました。
第1段階は令和2年10月、第2段階は令和5年10月に行われ、令和8年10月に一本化されました。
| 350ml当たり(円) | 令和2年10月より前 | 令和2年10月から | 令和5年10月から | 令和8年10月から |
|---|---|---|---|---|
| ビール | 77.00 | 70.00 | 63.35 | 54.25 |
| 発泡酒(麦芽比率25%未満) | 46.99 | 46.99 | 46.99 | 54.25 |
| 新ジャンル | 28.00 | 37.80 | 46.99 | 54.25 |
段階的な改正で、わかること
ビール系飲料の中でも、段階ごとに、税率が下がるものと、上がるものがありました。
段階的に行った理由として、確認した資料に書かれているのは、消費者の負担の急な変化をさけるため、という点だけです。
この記事で確認できていないこと
国税庁のホームページの酒税のページ(税率の解説ページ)は、この記事では確認できていません。
国税庁のPDFのうち、酒類販売管理研修モデルテキストは長い資料なので、この記事で使った該当ページだけを確認しました。
そのPDFの全文は、確認していません。
改正後の税率を定めた法令の条文そのものは、この記事では確認していません。
新聞やテレビの報道の本文は、この記事では確認していません。
アルコール分の範囲が変わる、発泡性のあるお酒それぞれの、改正前後の税額は、この記事では調べていません。
出典は、財務省と国税庁の資料です。
出典|確認した情報源
- 一次情報酒税改正(平成29年度改正)について・酒税の税率(財務省)(財務省)
- 一次情報酒税の税率(令和8年10月1日現在・PDF)(財務省)
- 一次情報酒類販売管理研修モデルテキスト 第1編・第2編(令和7年7月・PDF)(国税庁)
- 一次情報発泡性酒類の段階的な税率変更に係る品目及び税率適用区分の表示方法の手引き(令和5年8月・PDF)(国税庁)