ニュース ・ 2026年10月8日

カスハラ対策が、会社の義務になった。で、私には関係ある?

世の中の難しい話を、30秒で。

今日のニュース|何が起きた?

令和8年10月1日から、事業主(会社など人を雇う側)に、カスタマーハラスメント(カスハラ)を防ぐための措置を取ることが義務づけられました。

楽単すると|つまり?

カスハラは、お客さん等の言動で、社会の常識で許される範囲を超え、働く人の職場環境が害される、という3つがすべてそろったものです。苦情がすべてカスハラになるわけではなく、常識の範囲内の正当な申し入れは当たりません。

私たちに関係ある?

働く人は、会社が仕組みをつくって対応する形になります。暴言などの例に似ていても、それだけでカスハラと決まるわけではなく、状況を総合して判断されます。困ったら、一人で抱え込まず、上司や相談窓口に相談しましょう。

もう少し詳しく

条件・例外・具体例を見る(読みたい人だけ)

事業主に義務づけられたのは、「防止のための措置」

義務づけられたのは、事業主がカスハラを防止するための措置を講じることです。

  • 方針の明確化と周知:カスハラには毅然とした態度で対応し、働く人を守る方針を明確にして、周知・啓発する。
  • 相談体制の整備:相談窓口をあらかじめ定めて周知し、窓口の担当者が適切に対応できるようにする。
  • 事後の迅速かつ適切な対応:相談があれば事実関係を迅速かつ正確に確認し、カスハラの事実が確認できたら、被害を受けた人への配慮と再発防止の措置を行う。
  • 抑止のための措置:特に悪質なカスハラへの対処の方針をあらかじめ定めて周知し、対処できる体制を整える。
  • あわせて行う措置:相談者のプライバシーを守る措置を取ること、相談したことを理由に不利益な取扱いをしない旨を定めて周知することも求められます。

カスハラの3つの条件を、もう少し詳しく

  • お客さん等:商品の購入者やサービスの利用者のほか、取引先の担当者や、駅・病院・学校・公共施設などの施設の利用者も含まれます。
  • 今後、商品を買ったりサービスを使ったりする可能性がある人も含まれ、対面だけでなく、電話やSNSなどインターネット上の言動も対象です。
  • 社会の常識で許される範囲を超えた言動:言動の内容が契約内容からして相当性を欠くもの、または手段や態様が相当でないもの、を指します。
  • 内容と手段・態様の一方だけが範囲を超えている場合でも、これに当たることがあります。
  • 働く人の職場環境が害される:言動によって身体的・精神的な苦痛を与えられ、働くうえで見過ごせない程度の支障が生じることを指します。

具体例は、あくまで「例」です

社会の常識を超える言動の例として、次のものが挙げられています。

  • 内容の例:商品やサービスと全く関係のない要求、契約で想定しているサービスを著しく超える要求、対応が著しく困難または不可能な要求、不当な損害賠償の要求、など。
  • 手段・態様の例:暴行や傷害などの身体的な攻撃、暴言・侮辱などの精神的な攻撃、威圧的な言動、継続的・執拗な言動、長時間の居座りなどの拘束的な言動、など。

具体例だけで、カスハラと決めつけない

ただし、これらはあくまで例です。

当てはまりそうに見えても、それだけでカスハラと決まるわけではありません。

判断では、言動の目的、そこに至った経緯や状況、業種、言動の様子・頻度・続いた期間、行為者との関係など、さまざまな要素が総合的に考慮されます。

事業主や働く人の側の不適切な対応が、その言動の原因や背景になっている場合もあるため、そのことにも注意が必要とされています。

強い身体的・精神的な苦痛を与える言動であれば、一回だけでも、職場環境を害する場合があり得ます。

正当な苦情と、障害のある人からの申し入れ

お客さんからの苦情のすべてがカスハラに当たるわけではありません。

客観的に見て社会の常識の範囲内で行われたものは、正当な申し入れです。

障害のある人が、不当な差別的取扱いをしないよう求めることや、社会的障壁(障害のある人の生活や社会参加を妨げるもの)の除去を必要としている意思を伝えること自体は、カスハラに当たりません。

その場合、障害者差別解消法に基づき、負担が重すぎないときは、社会的障壁を取り除くために必要で合理的な配慮をしなければならない点にも、注意が必要です。

カスハラ対策を行うときは、消費者の権利や、障害者差別解消法の定め(不当な差別的取扱いの禁止、合理的配慮の提供義務)にも留意する必要があるとされています。

働く人・お客さんとして

働く人は、被害に遭ったとき、一人で抱え込まず、速やかに上司や相談窓口に報告や相談をすることが重要です。

また、カスハラは誰もが行為者となり得るため、自分の言動にも気を配ることが大切です。

この記事で確認できていないこと

会社が義務を守らなかった場合の罰則や行政の対応は、確認できた公式ページに記載がなかったため、この記事には書いていません。

指針の細かい条文や、業種ごとの対応は、厚生労働省のページで確認してください。

出典|確認した情報源